斜角筋症候群について詳しく解説します!
斜角筋症候群(Scalene Syndrome)
斜角筋症候群は、首の筋肉である斜角筋が神経や血管を圧迫することで起こる症状で、現代のデスクワークやスマートフォン使用の増加により注目されている疾患です。
斜角筋とは
斜角筋は首の側面に位置する3つの筋肉群で構成されています:
3つの斜角筋
主要な機能
呼吸補助: 肋骨を引き上げて胸郭を広げる(吸気の補助)
頸椎の動き: 頸椎の屈曲と側屈
頸椎の安定性: 頸椎を支える重要な役割
斜角筋症候群とは
斜角筋症候群胸郭出口症候群の一種で、前斜角筋と中斜角筋の間を通る腕神経叢や鎖骨下動脈が圧迫されることで発症します。
### 主な症状
- 上肢のしびれ・痛み
- 上肢のだるさ・重さ
- 冷感
- 首や肩の痛み
- 手の脱力感
- 胸部の痛み(胸痛)
症状の特徴
- 上肢を挙上すると症状が悪化しやすい
- 朝起きた時に症状が強い場合が多い
- 特定の姿勢で症状が増悪する
診断方法
臨床検査
1. ルーステスト(Roos Test)
1. 両方の肩関節を90度外転、肘関節を90度屈曲
2. 手のひらを前に向けて、グーパーを繰り返す
3. しびれやだるさが現れたら陽性
2. モレーテスト(Morley Test)
1. 鎖骨上窩部の前斜角筋を触知
2. 前斜角筋を指で圧迫
3. 圧痛やしびれが現れたら陽性
原因
直接的要因
- 斜角筋の緊張・硬さ
- 不良姿勢(前かがみ姿勢)
- 先天的な肋骨の変形(頸肋)
誘発要因
- 長時間のデスクワーク
- スマートフォンの長時間使用
- むち打ち損傷
- 過度な咳
- 重いバッグの持運び
- 不適切な枕での睡眠
治療法
保存療法
1. 物理療法
- ストレッチング
- マッサージ・手技療法
- 温熱療法
- 牽引療法
2. 運動療法
- 筋力強化
- 姿勢改善訓練
- 呼吸法訓練
理学療法・ストレッチ
斜角筋のストレッチ
方法1: 側屈ストレッチ
1. 右手で左側の頭部を支える
2. 頸部を軽く後屈させながら右方向に側屈
3. 痛みのない範囲で20秒キープ
4. 反対側も同様に実施
方法2: 座位でのストレッチ
1. 椅子に座り姿勢を正す
2. 両手を後ろで組んで肩甲骨を寄せる
3. 胸を張った状態を20秒キープ
筋力強化エクササイズ
等尺性収縮エクササイズ
1. 座った状態で手のひらを頭部側面に当てる
2. 手で抵抗を加えながら頭部を側屈させる
3. 8-12回繰り返す
注意点と予防
予防策
- 良い姿勢の維持: デスクワーク時の姿勢改善
- 適度な休憩: 長時間同じ姿勢を避ける
- 首・肩のストレッチ: 定期的なストレッチング
- 枕の調整: 適切な高さの枕使用
- 重量物の注意: 重いバッグの持ち方を工夫
温熱療法の効果
症状が軽い場合は入浴時に湯船に浸かり、肩関節周りを温めることで血流改善と筋肉の緊張緩和が期待できます。
予後
斜角筋症候群は適切な治療により多くの場合で症状の改善が期待できます。
斜角筋症候群は現代社会特有の疾患として注目されており、予防と早期治療が重要です。症状がある場合は、専門医による適切な診断と治療を受けることをお勧めします。









