腱鞘炎
腱鞘炎の症状・原因・治療・予防ガイド
腱鞘炎(けんしょうえん)は、現代社会において非常によく見られる疾患の一つです。パソコンやスマートフォンの使用、家事、子育てなど、手指を繰り返し使う動作により引き起こされるこの症状について、詳しく解説いたします。
腱鞘炎とは
腱鞘炎とは、骨と筋肉をつないで指や手首の曲げ伸ばしを可能にしている腱が太くなったり、腱を包むように収めている腱鞘が硬く厚くなったりして、腱と腱鞘がこすれ合うようになり、炎症が生じる疾患です。
正常な状態では、腱は腱鞘の中を滑らかに通っていますが、腱鞘炎の状態では摩擦が生じて痛みや機能障害を引き起こします。
主な症状
腱鞘炎の症状は、炎症が生じている部位によって異なりますが、共通する症状は以下の通りです:
一般的な症状😧
- 痛み:患部の炎症による痛み
- 腫れ:炎症部位の腫脹
- こわばり:指や手首の動きが制限される
- しびれ:神経が刺激されることによる感覚異常
1. ドケルバン病(手首の腱鞘炎)
- 手首の親指側に痛みが現れる
- 親指を動かす腱が通る腱鞘が太くなることで発症
- 物をつかんだり、手首をひねる動作で痛みが増強
2. ばね指(指の腱鞘炎)
- 指を伸ばそうとすると腱が腱鞘にひっかかる
- 指が「バネ」のようにカクンと動く
- どの指にも発症する可能性がある
腱鞘炎の原因
主要な原因:使いすぎ(オーバーユース)
腱鞘炎の最も一般的な原因は、手指の使いすぎです。以下のような活動を行う方は注意が必要です:
- デスクワーク:長時間のパソコン作業🧑💻
- スマートフォン使用:片手での長時間操作🤳
- 職業的要因:美容師、料理人、大工など手を多用する職業✂️
- 楽器演奏:ピアノ、ギターなどの練習🎹
- 子育て:赤ちゃんの抱っこや授乳🤱
- スポーツ:テニス、ゴルフなど🎾
その他の原因
女性ホルモンの影響
女性ホルモンのバランス変化が腱鞘炎に大きく影響します:
- 妊娠・出産期:ホルモンバランスの変化
- 更年期:エストロゲンの減少
- 月経周期:ホルモンの変動
加齢による変化
- 腱の弾力性低下
- 腱鞘の硬化・肥厚
- 血液循環の悪化
治療方法
セルフケア
軽度の腱鞘炎の場合、以下の対処法が有効です:
安静
- 痛みのある部位をできるだけ使わない
ストレッチ(ばね指の場合)
- 手を前に伸ばして指を反らせる
- 無理のない範囲で行う
- 注意:ドケルバン病の場合はストレッチNG
日常生活での工夫
パソコン作業🧑💻
- 手首を支えるクッションやサポーターを使用
- 定期的な休憩を取る
- 正しい姿勢を保つ
スマートフォン使用🤳
- 両手で持ち、両手で操作する
- 片手での長時間使用を避ける
- 音声入力を活用する
子育て中🤱
- 抱っこの姿勢を見直す
- 家事の分担
- 便利グッズの活用
栄養面での対策
腱鞘炎の予防・改善には栄養も重要です:
重要な栄養素
- タンパク質:腱の材料となる
- 鉄分:腱の合成に必要
- ビタミンC:コラーゲン合成を促進
- オメガ-3脂肪酸:抗炎症作用
おすすめの食品🐟
- ビタミンC:キウイフルーツ、パプリカ、ブロッコリー
- タンパク質:魚類、肉類、豆類
- 鉄分:レバー、ほうれん草、ひじき
腱鞘炎を疑ったときのセルフチェック✨
フィンケルシュタインテスト(ドケルバン病)
- 親指を手のひら側に倒す
- 他の指で親指を握る
- 手首を小指側に曲げる
- 親指の付け根に強い痛みがあれば陽性
ばね指のチェック
- 指を曲げ伸ばしする際の引っかかり感
- 指が途中で止まってしまう
- カクンという音や感覚
まとめ
腱鞘炎は適切な対処により改善が期待できる疾患です。しかし、放置すると症状が悪化し、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
重要なポイント
- 早期発見・早期対処が重要
- 使いすぎを避けることが最大の予防策
- 適切な栄養摂取も予防に有効
現代社会では手指を使う機会が多く、腱鞘炎は誰にでも起こりうる疾患です。日常生活での予防を心がけ、症状が現れた場合は適切な対処を行うことが大切です。
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